16歳のダイアリー

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「女装でいいなら、 俺が彼女役で行きたいけどなあ」 なんて、 変な話まで出て。 そうこうしながら俺は彼女の様子を覗っていた。 表情をくりくりと変えながら、 気取らず素直にはしゃいでいるのが、 気持ちよかった。 そんなふうに意志表示してくれて、 俺はみょうに安心した。 そして、 俺こそが本当言うと一番嬉しかったのかもしれない。 俺こそはしゃいでいたかもしれない。  寿司屋は渋谷の東急にあった。 日曜の夕方は、 スゴク混んでいた。 なかなか入れないということで、 時間潰しにおもちゃ売り場を一緒に歩くことになったけれど、 あの頃から、 実は俺は彼女のことが気になっていたのかもしれない。 2人でハチャメチャな会話しているのが楽しかった。 ああ言えばこう来る、 こう来たなら、 こう切り返す、 どんなもんだい…みたいなノリ。 止まることを知らない。
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