16歳のダイアリー

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俺今誰かと付き合うとか、 そんな状況じゃないし」 「じゃ、 聞きましたよ。 今の言葉」 「遠慮する柄でもないだろうし」 「ごもっともで…。 」 「あ、 彼女の電話番号、 教えてくれれば、 俺から、 また拓実くんと寿司食いにおいでって、 誘おうか」 「え?いいんですか?」 「うん。 すぐに出来るか、 分からないけれど」 「あ、 いつでも。 どうせ、 あいつだって暇だろうから」 「実はさ、 親父、 もう長くないんだ。 で、 そうなったら、 多分お袋の実家のある山梨に引っ越すことになるんだ。 」 「はあ。 そりゃ、 大変だ」  浮かれた気分の所に、 なんだか重大な角谷さんの告白を聞いて、 またちょっと落ち込んだ。 病気の親父さん、 角谷さんの夜学生活、 引越、 そして、 もう親父さんは長くない?うわあ、 辛いだろうな。 なのに、 寿司食って、 上機嫌で、 恋愛話か、 俺って、 無神経だったよな。 親父さんの入院が長引くって聞いた時から、 も少し配慮してた方が良かったんだろうか。
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