16歳のダイアリー

108/184
前へ
/184ページ
次へ
俺はよっぽど暗い顔していたのか、 逆に励まされちゃった。 「じゃあね」 角谷さんは、 俺の肩を軽くたたいて、 帰って行った。 俺はこの間みたいに、 返してもらったばかりの単車にまたがって、 またちょっと走ってみようと思った。 「こんな時間にどこいくのよ?」 と叫ぶ、 お袋の甲高い声に 「ちょっと、 そこまでだよ」 と、 適当に返事をしてやって、 玄関にあるメットをかぶった。 アイツが満足するまでずっとずっと  このまま、 多摩川をずっと下って、 小向の方へ出てみようかと思った。 マキの家は、 小向公園のすぐそばだって、 聞いたことがあった。 そこを通ったからって、 何事もないけれど、 なんだか行ってみたくなった。 別に探し当てようなんて、 そこまで思った訳じゃないけれど。 興味があった。 こんな時間だから、 多分20分もかからないで着くだろう。 しかし、 俺は何をやってるのか?本当にアイツのことが好きなのか、 なんだかただのノリなのか。 でも、 残念なことに、 アイツの心は角谷さんの方を向いている。 で、 角谷さんは角谷さんでまた、 別の方を向いている。 これって?直線関係?誰もいい思いしてないよな。 赤信号で止まることがほとんどなく、
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加