16歳のダイアリー

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気持ちがいいぐらいガンガン飛ばせた。 全身で風を受け、 ふわっと舞いあがりそうな気分だった。 それはただ風のせいなのか、 アイツへの思いのせいなのか。 小向公園にはいくら夏でも、 こんな遅い時間、 アベックが一組、 二組いるぐらいで、 単車止めてぼーっとしているのが、 全然似合ってないのが自分でも実感。 あまり居心地がよくなかったから早く退散しなくちゃ、 って思った。 するとなぜか、 小さな子を抱いたお母さんが近付いてきて、 俺の座っているベンチの隣を見ながら 「ここ、 座っていいですか」 って聞いてきた。 断る理由はないけれどな、 な、 なんでこんな時間?もう10時を過ぎているぜ。 小さな子はぼやんと目を開けていたが、 ちょっと不機嫌そう。 何歳ぐらいなのかな。 全然想像できなかった。
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