16歳のダイアリー

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「あなたも、 気をつけて帰るのよ。 あら、 じゃあ、 未成年じゃない。 こんな時間。 お巡りさんに見つからないようにね」  なんなんだ。 よく分からないけれど、 変な出会い。 お母さんの後姿を見送りながらそう思った。 そして、 彼女に対する思いが一途なのか、 そうじゃないのか、 俺はぼーっと考えていた。 単車にまたがり、 走りながらも、 ずっと、 ずっと。 笑った時のエクボとか、 走るとぴょんぴょん揺れるポニーテールとか、 東急で会った時に着て来たチェックのワンピース姿とか、 そんなことを思い出していた。 前に何度かつき合った女の子とは、 全然違うような気がした。 ミクなんかは、 向こうから行って来たくせに、 あっさり男できたって、 振られるし。 学年でも割と目立つ美人系で、 でも、 そのせいかああしたい、 こうしたいで、 結局俺が振り回されてたっけ。 俺が付き合うことばっかで、 俺に付き合ってくれることはなかったな。 椎名さんは…こっちから声掛けて、 やっとOKもらった割には、 なんとなく盛り上がらなくて。 あまりにも大人というか、 隙がないっていうか、 弱味は見せないっていうか。 頭はいいし。 俺が気後れして自然消滅しちゃったみたいな感じだった。 なんだ、
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