16歳のダイアリー

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 マキとのつながりはそういう“つき合う”とか、 そんな前提が全くないまま、 なんとなく友達になった訳で。 普通はそれで、 ずっと友達は友達のままでいいはずなのに。 でも、 俺は気になって、 気になって、 そして今夜みたいに小向まで単車でぶっ飛ばしちゃってる訳だ。 そう思ったら、 俺はものすごくアイツがいとしくなった。 こ憎たらしい態度といいい、 俺のバカなノリに、 ケラケラと笑う朗らかさといい、 おもちゃ売り場ではしゃいでいるかと思えば、 角谷さん目の前にして、 まるで緊張のどん底にはまったみたいになっちゃうような、 正直さ。 気が強いのか、 弱いのか、 しっかりもののようで、 でも、 頼りなさげな…そんな子なんだよ、 アイツは。 なんだ、 俺って、 すごい観察力じゃん。 なのにヤツは、 あっち向いたまんま…か。 それでもいい。 それでもいいんだ。 人はそれを片思いって言葉でくくろうとするだろうが、 俺は違うと思う。 どうしてかって?俺は今日のミステリアスな出会いを振り返っていた。 そして、 思ったんだ。 お母さんが、 暑さで眠れなくなった子どもを、 公園まで抱いてきて、 こんな時間に。 眠りを誘うように、 そっと揺らしたり、 背中をたたいたり、 さすったり、
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