16歳のダイアリー

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 角谷さんが律儀にも、 また俺たちを寿司屋さんに呼んでくれた。 事情のある中で、 よく忘れずに。 あれは夏休みの直前だった。 おいしそうに寿司を食って、 角谷さんの顔見れて、 それで、 けっこう幸せそうに過ごせるんじゃないかって、 俺はアイツのことそう思っていたのに、 なんだか変な展開になった。 一番驚いているのは、 またしてもアイツ自身じゃなかろか。 だいたい、 角谷さんから電話あった、 なんてスゴクはしゃいで俺に言いに来るかと思っていたら、 もう泣きそうな顔して、 お別れだって話を聞いて、 「もうがっかりです」って、 俺に言って。 人のいい俺は、 励ます方に回って。 ま、 いいか。 最初、 遠くで見てるだけの人だなんて言ってたくせに、 しっかり気持ち、 入っているし。 ホントに分かんないね、 女の子って。
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