16歳のダイアリー

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 アイツは、 寿司屋さんで…角谷さんの目の前で、 告白しちまったんだ。 あちー。 「ただ、 タクミさんと一緒にいた人で終わってほしくなかった」なんて言いやがって。 俺の気も知らないで。 でも、 角谷さんは、 その告白、 聞く前から知っていたよ、 安心しろ。 お前の気持ちはしっかり届いたよ。 それで、 いいんだろ。 振られて泣いたら、 来いよ。 いつでも。 ハンド女子部元エース現る  2学期は、 行事が多いし、 修学旅行もあるし、 部活はハードだし。 そんなだから、 いいか悪いかは別にして、 あまり、 アイツのことを考えている暇がなかった。 廊下やなんかで見かけることもなかったし。 角谷さんのいなくなったその心の空間が、 どうなったのかなんて、 考えてやる余裕もなかった。 いや、 それとも、 アイツが角谷さんとは絶対結ばれないっていう確信があって、 そのせいの余裕だったのかもしれない。 いやらしいなあー、 俺って。 人の不幸を先回りして握ってるなんて。
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