16歳のダイアリー

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「欲しくないか、 今さら。 もう引退したら、 3年なんか、 いてもいなくても」 「あいや、 そういう訳じゃ」 「やっぱさ。 いくら引退したって、 暇を作って、 先輩に見に来てほしいとか、 かかわってほしいとか教えてほしいとか、 そういうのあるでしょう」 「そりゃまあ」 「あたしもね。 もう引退だから偉そうなこと言えないんだけれど。 タクミくんが宮成くんに頼みます、 また指導してくださいなんて言いたくないだろうけれどサ。 ここは、 だれかが下手に出ないと、 このままで卒業になっちゃうんだよね。 結局部費はさ、 Aクラスのロッカーの上に置いてあったのを、 町田君が見つけたんだよね。 Aクラスって宮成クンのクラスなのよ。 彼、 自分でそのロッカーの上にでも忘れたんじゃないの?なのに盗まれたって、 皆を疑って。 みんないやな思いをした。 それから、 彼、 皆に謝ってないんじゃない?わたしもその辺はっきりさせなきゃ、 って言ったことはあったんだけれど。 なぜか意固地になってて、 あれ以来。 だから、 誰かがきっかけ作って…」 「つまり。 先輩たちが戻ってきやすいように、 きっかけ作れってことですよね?」 「悪い!!イヤな役回り」 「あ、 別に」 「タクミくんひとりじゃなくてね、
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