16歳のダイアリー

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「じゃあね、 朝からサンキュ」 真野さんはそう言って昇降口に消えて行った。 やばい、 歩ったから時間、 ぎりだぜ。 俺は駆け足で階段をすっ飛んだ。  俺はその日の昼休み、 ハンド部の何人かに話をしてみた。 実際のところ、 どこの部もこの時期、 先輩たちは全然部活に出ないのが普通だから、 今さらもう一度戻ってくださいと言ったところで、 じゃあ現役の時のように、 次の日から部でバシバシやるかっていうとそうじゃない。 形だけ戻って、 でも練習する訳じゃなく、 アドバイザー的とでもいうか、 そんな立場になるだけだから、 「俺は別にどっちでもいいけど」 なんて言ったのは、 龍だった。
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