16歳のダイアリー

26/184

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
タクミさんは不思議そうに聞いてきた。 ことのいきさつを話すと 「なるほどねー。 恋は意外なところに落ちてるねえ」 「恋とかって言わないでください。 まだそんなんじゃなくて。 ただちょっと、 ちょっといいなって思っただけで。 大人だし。 ちゃんとミニコミ読んでくれてるし。 いろいろ意見書いてくれたし。 その意見も大人だし…」 「背高くてカッコいいし、 精悍だし。 で、 誠実そうだし?」 「そこまで、 まだ言ってませんよ」 「あ、 そう。 でも思ってるじゃん。 目がそう言ってるよ。 あの人さ、 そうなんだよ。 カッコいいんだよね。 俺から見ても。 背すごく高いじゃん。 俺も低い方じゃないけれど、 もっと高いんだよ。 それにがっちりしてるじゃん。 大柄の男って、 なんかこう、 立派に見えるって言うか…」 実はわたしが思っていること、 そのものズバリだった。 心の内を見透かされた気がしたから、 あわてて 「ねえ、 タクミさん。 角谷さんと、 なんで知り合いなの?」 と、 ふってみた。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加