16歳のダイアリー

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「恋する女は複雑です」  それから、 何日たっただろう。 ある日、 角谷さんから電話があった。 あるはずもない出来事。 そして、 知るはずもないウチの電話番号。  誰かにキイホルダーをもらったと言う。 旅行のお土産のようなもので、 誰からなのか、 分からないと言う。 「拓実くんに話したら君じゃないかって言うんだよね」 「?わたしじゃないけれど」 「あ、 ごめん」 「それ、 女の子?」 「多分。 可愛い封筒に入っていたから」 「どうしてタクミさんは、 わたしだなんて思ったのかしら」 「どうしてだろうね?」 「心当たりないんですか?」 「うん」 「きっと、 角谷さんのファンですよ」 「はは、 何かの間違いかもね」 そう言ってから角谷さんは口調を変えて続けた。
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