16歳のダイアリー

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「ところで、 また、 寿司食いにおいでよ。 拓実くんと」 「え?」 「あの店はおじさんがやっていて、 俺はそこで働かせてもらっているんだけれど。 拓実くんには時々単車借りたりしているから、 そのお礼を兼ねて。 アイツ、 一人で来たってつまらないだろうから、 付き合ってやってよ」 なんで、 そこで、 取り持ってくれちゃう訳?と、 内心思った。 「はあ、 でも、 誘う彼女、 今頃出来てるかも…」 やっと、 思いついて、 取り繕った。 「どうかな。 それに俺…」 と、 言いかけて、 沈黙になった。 「え?」 と、 問いかけてみる。 「俺、 家の事情で今度、 山梨に引越しすることになったんだ」 「ええ?いつですか」 「来月早々。 だから寿司、 これが最後だよ」 「そうなんだあ。 寂しいですね」 動揺を隠そうとして言ったが、 あまりに突然で、 涙が出そうになった。 あっけない別れ…。
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