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わたしは、
翌日、
すぐタクミさんを探した。
2年生の教室を、
1年生が訪ねるのは気が引けた。
昇降口で待っていて呼び止めるのは、
目立つからヤダ。
彼一人で行動している時を見計らって。
でもそんなの、
いつ?わたしは、
ハンド部の部室の近くで、
読むつもりもない文庫本をぱらぱらしながら、
ちらりちらりと部室に入っていく“人”をチェック。
(あー、
疲れる)
彼は、
3人かたまりでやって来た。
「タクミさーん」
チャンスを逃してはならない。
結構必死だった。
振り向いたタクミさんは、
ちょっと驚いて、
用件は分かっている、
みたいに何回かうなずいた。
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