16歳のダイアリー

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「昨日、 角谷さんから」 と、 言いかけると 「ああ、 こっちにも電話あったよ。 山梨、 行っちゃうんだってね」 と、 タクミさんが言った。 その顔が、 とても寂しそうに見えた。 不服そうで、 悔しそうでもあった。 彼は、 角谷さんの引越しの訳を、 納得はできないながらも、 承知していたようだった。 そんなタクミさんの顔を見たら、 思わず目に涙があふれてしまった。 泣くつもりなんかなかったし、 さびしい気持を慰めてもらおうという気もなかったはず。 ただ、 電話で色々話したことを言っておこうと思っただけなのに。 どうして…。 「なんだよ、 泣くなよ」
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