16歳のダイアリー

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「混んでいるのにすみません」 と、 わたしが言うと、 角谷さんは 「いや、 誘ったのはこっちだから。 それにさっきまでは、 本当にすごく忙しかったんだけれど大分ね、 空いたんだよ。 すぐ用意するから、 おしゃべりしてて」 「あ、 ホレ、 出せよ、 買ったもの…」 タクミさんが促す。 ボーッとしていたわたしは、 あわてて紙袋を渡した。 「ホラ。 一言」 タクミさんがわたしに強い口調で言う。 「え?命令しないでよ、 もう」 「だって、 言いたいって、 顔に書いてあるよ」 「どこによ、 もう…。 うるさいんだから」 わたしは顔を触りながら、 でもやっと 「あの、 お別れに、 コレ…2人からです」 と言った。 角谷さんはニコッと笑って受け取ってくれた。
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