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「ありがとう。
君たちは似合いのコンビだね」
「なわけないでしょ」。
タクミさんが呆れて言う。
似合いの漫才とか言われなくてよかった、
なんて、
ばかなこと考えているうち、
角谷さんはカウンターの方に戻って行った。
やがて、
上寿司が運ばれてきた。
「君たちさ、
付き合ったら?似合いって、
そういう意味だよ」
角谷さんが嬉しそうに言った。
え?なんでえ?なんで角谷さんがそんなこと。
わたしは引けない。
ここで、
この最後の日にわたしとタクミさんが仲良くお寿司を食べ、
漫才みたいに会話して、
それがそれが角谷さんとの最後の思い出として心に残っていくとしたら…わたしはイヤー。
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