16歳のダイアリー

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 あれからすぐ、 わたしは角谷さんに手紙を書いた。 スヌーピーの絵のついた、 お気に入りの便せんに、 いつも使う細い黒インクのペンで。 空間をいっぱい取りながら、 時間をかけて、 何枚も、 何枚も。 学校のこと、 協議会のこと、 先生のこと、 秋の文化祭のこと、 ミニコミ誌のこと…。 小さな便せん10枚ぐらいになった。 折ると、 とっても分厚い…。 「重量オーバーだな」と思って切手を余計に貼る。 手紙に浸っている間中、 角谷さんを思い起こして幸せだった。 角谷さんに語りかけて…、 角谷さんがそばにいる気がした。 忘れるはずの小さな恋心を、 この手紙に押し込めて送ろう。 そして終わりにしよう。 もう会えないんだし。
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