16歳のダイアリー

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この人は、 初めて会話する人間に、 ものをくれってゆーか…。 しかし全く緊張してないし、 こうも無防備に、 かつ明るく振る舞われたんじゃ怒れないよなー。 このキャラはタクミさんだから受け入れられちゃうんだよな、 なんて思っていると 「じゃあ、 これと取り換えない?」 と、 自分のスポーツバッグについていたツインキーのフェルト人形を指差した。 「わっ、 そっちの方がかわいいじゃないですか」 わたしは、 お世辞ではなく、 本当にそう思った。 「じゃ、 決まりね」 と言って、 細長い指で、 するりとひもをほのいてわたしに差し出した。 わたしもミルクカップを外し始めた。 彼はキイホルダーにつけながら 「こういうの取り換えっこするの、 恋人同士みたいじゃん」 とフツーに言ったりしている。 わお、 どきどきすること言わないで。
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