16歳のダイアリー

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マグカップなんですけれど、 タクミさんのイメージにぴったりだったから、 思わず買っちゃって…。 秋のリーグ戦、 頑張ってください。 応援に行きます!」。 「あ、 ありがと…」 彼は、 戸惑いながら、 それを受け取っていた。 わたしは少しずつ接近したが、 気付かない。 「あのお、 タクミさん、 彼女とかいるんですかあ?」 と、 1年女子が質問している。 そこで、 やっとわたしに気付いた。 目があったが、 こっちから目を外して、 渡り廊下を通り過ぎようとした。 「あ、 あああー」 と、 変な声の後に、 「ちょい待った!!」 と、 背中に彼の声が響いた。 わざと5歩ぐらい前に進んでからゆっくり振り向く。 1年女子が怪訝そうにこっちの顔を見ている。 タクミさんはその女子たちに 「ああ、 これありがと」 と、 あっさりかわし、 わたしの方に向かって来てくれた。
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