16歳のダイアリー

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「どうやって山梨まで行くの?」 「俺の単車で」 「お尻痛くなりそうだね…」 「だよ。 お尻を優先するか、 会いたい気持ちを優先するか?だな」 久しぶりに2人で笑った。 彼の持っているバイクはオフロード用で二人乗りなんかできない事を、 わたしは前に何かで聞いて知っていた。 コレはただの社交辞令と言うか、 建前と言うか、 多分実現しないだろうと思った。 だってそこまでタクミさんがわたしに尽くす理由がないもの。 でも、 話し聞いてくれてありがと…。  秋らしくなった頃だった。 突然タクミさんから  「友達からバイクを借りた。 山梨に行こうよ」  と言ってきた。 嘘みたいな話で、 返事にとまどった。
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