16歳のダイアリー

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3,40分して、 桃川サイクルの軽トラックがやって来た。 親父さんがまず入って来て 「毎度―」 と、 言った。 そして角谷さんが続けて入って来た。 汚れたツナギなんか着てくるのかと思っていたら、 全然違くて、 トレーナーと、 紺の作業ズボンだった。 「よ!」 角谷さんは、 タクミさんに明るく言った。 「悪かったすね!呼び出すような形になって」 タクミさんは親父さんに向かって続けた 「すみませんでした。 ご親切にありがとうございました」 親父さんは何も言わず軽くうなずいて、 別のテーブルに座り、 蕎麦屋の旦那さんとしゃべり始めた。 角谷さんはわたしたちのテーブルの席に座って、 改めてわたしをサラッとみて 「久しぶりです」 と、 静かに言った。
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