16歳のダイアリー

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「うん。 そうだね。 で、 転校しちゃった人がいて、 みんなで会いに行ったということで」 「そうそう」 「明日は、 早いんでしょ」 「そうだね。 さっき、 おじいさんが、 車で俺らをあの蕎麦屋さんまで送るからって、 お母さんに話してたよ」 「すごい親切な人ばっか。 サイクルの人も、 家族の人も、 蕎麦屋さんも」 「うん。 地方って感じするね」 「地方ってそうなの?」 「うん。 地方の人って、 道聞くと、 そこまで一緒に行ってくれたりすんだよね」 「へえ。 角谷さん、 都会よりこっちがいいって、 そういうことなのかな」 「それにしても、 ここまで来るだけでもすごい一歩だったのに、 いきなり泊るって、 もう百歩進んじゃった感じだね、 君たち」 「別に進んでないですよ!わたしはもう吹っ切れましたよ。 ここへ来ただけで。 角谷さんの生活乱したくないし」 「ごもっともですぅ。 ま、 角谷さん、 結構元気そうで良かったのは確かだね。 ものすごく大変なのかとも思ったけれど、 夜学、 行けてるみたいだし。 お母さんも、 体調悪いのかと思ったけれど、 わりと元気だったしね」 「そうそう。 良かった」
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