16歳のダイアリー

79/184
前へ
/184ページ
次へ
「もう!タクミさんはスグそれなんだから」。  その晩はお決まりのようにわたしだけさっさと寝なくちゃいけない雰囲気で。 つまりは、 角谷さんとタクミさんはこの時とばかりにいろいろしゃべりたかったみたい。 まあ、 そうだよなあ。 却ってさっさと寝かしてもらえて良かったと思った。  次の朝、 天気はすっかり良くなっていた。 わたしたちは8時頃に家を出た。 角谷さんは、 「楽しかったよ。 ありがとう」 とわたしに言ってくれた。 その一言で、 救われた。 わたしが楽しくさせたことは、 実のところ何もなかったのだけれど、 タクミさんがわたしを無理やり連れて来たのではなく、 わたしの存在があったから、 タクミさんが動いたんだ的なことを言っていて。 つまりはそのお陰で角谷さんはタクミさんといっぱい話せて良かったみたいなことだった。 最後に角谷さんは 「じゃ、 拓実くんと仲良くね」 と、 わたしに言った。 それって、 どういう意味だったんだろう。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加