16歳のダイアリー

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 俺は高瀬拓実。 県立高校の2年。 ハンドボール部に入ったのは、 中学でバスケをやっていたんだけれど、 バスケでレギュラーを取るのは結構きついし、 ハンドなら人数も少ないからレギュラーになりやすいし、 今までの経験も生きるし、 見学したら面白そうだったという、 わりと適当な理由だった。 入った時は3年生がすごく強くて成績も良かった。 なんと関東大会出場まで行った。 それが、 わが校でハンド部を有名にした由縁?だった。 ところが3年が引退すると、 結構厳しいものがあって、 なかなか試合に勝てない事が多くなった。 そんな時に当時の2年生全員がみな一斉に退部してしまうという事件があった。 だから進級した時は、 3年のいないハンド部になっていた。 俺たち2年男子は7人いたがキャプテンをやる人間がいなくて、 仕方なく俺が引き受けた。 1年が比較的多く入って来てくれて、 なんとなく部が盛り上がって、 いくぶん気が楽にはなっていた。 でも、 さすがに試合となると、 2年、 1年だけじゃなかなか勝てなかった。 そうなってくると、 かつて強豪だったというだけでは、 あまり大きな顔もできず、 休日に使うグランド使用許可も、 無理言えない状況だった。 それなら、
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