16歳のダイアリー

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牧川さんはそばに置いてあった学生カバンを持ち上げて、 持ち手についているツインキーのフェルト人形をみせながら 「このツインキー、 高瀬さんにもらったって友達に自慢したんです。 あ、 正確にはミルクカップと交換でしたけれど。 そしたら、 スゴク羨ましがられて!やありい!!です」 「そんな人形ひとつで?」 「はい」 俺は、 ミルクカップを交換したことは覚えていたが、 誰だったかすっかり忘れていて。 今やっと気付いた。 そうか、 この子だったんだ。 あの時も、 昔の彼女が誰でとか、 そんなこと話したよな。 ツインキーの人形は、 前にミクにもらったもので、 あ、 ミクっていうのは1年の時にちょっとだけ付き合った彼女。 決定的な何かがあってだめになった訳じゃないけれど、 他に彼氏ができたって言われて、 まあ、 つまりは振られた訳だけれど。 そんなんで、 有名っていうのは、 大袈裟すぎるが、 全然もててない。 そんな、 ツインキーのぼろい人形、 もらったとこ自慢したって仕方ないのに、 女の子って、 変だよな。 俺は、 生徒会室で時々彼女をみかけると、 そんなことをしゃべったりしていたが、 だからってどうってことはなかった。 見た目よりはずっとやんちゃな、
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