16歳のダイアリー

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「ここを乗り越えれば、 なんとかなる。 じゃ、 唐突な電話で悪いけれど、 ありがとう。 助かるよ」 と、 重ねて言った。 「あ、 いつでも。 それに兄貴の車もあるから、 なんかあったら、 兄貴に頼めるし」 「うん」 頑張って…、 って言いそうになったが、 安っぽい同情みたいな言葉に思えて、 言うのをやめた。 電話を切ってから、 単車が気になって、 少し調子見ておこうか、 なんて、 その辺を走ってみた。 多分、 ちょっと、 落ち込んだんだと思う。 走ったら少し気が紛れた。 単車は、 兄貴がもう乗らないからっていうんで、 俺がもらっちゃったもので、 オフロードタイプの125CCなんだ。 古いけれど、 なかなかいい走りするし、 多分役に立つと思う。 あれ?あえて聞かなかったけれど、 角谷さん、 じゃ、 免許持ってたんだ…。
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