16歳のダイアリー

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「お、 丁度いいところにやって来た!」 って、 思わず言ってみたんだ。 「丁度いいって、 一体なんですか」 牧川さんは笑いながら言った。 この人は、 こっちの思っている通りに反応がくるから受けるんだよね。 「今度の日曜日、 知り合いがバイトしてる寿司屋で寿司を御馳走になる話があって。 行かない?」 「え、 御馳走?してもらえるんですか?」 「そう」 「え?わたしもいいの?」 「彼女のふりして、 付いてきゃいいのよ」 と、 言ったのは、 一緒にグランド会議を待っていた野球部の佐橋。 彼女は他に誘う人、 いるんじゃないんですかー。 って、 何回か聞いていたようだったけれど、 気を利かしたせいか、 他の奴らも 「今まで、 ここへ来た何人かに声掛けても全然まとまらなかったから、 ここはもう、 ひとつ、 決まりということで」 と、 サッカー部の大野もふざけた調子で言っていた。
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