第1章

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◆◇◆◇◆  女が目を開けるとそこには男の苦悶の顔があった。 彼女にのしかかっている男は裸で、口を開き、眉根を寄せている表情はさながら、男性が射精時に見せる快楽を表に出したものにも見えたが、実際にはそれは快感どころか、痛ましく切なく、男が味わう苦痛の中で最も悲惨なものであった。  女はベッドの上で憐れんだ。 「ああ、またやってしまった……神よ」
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