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「こんにちは、はじめまして。依頼のご相談をしたいと伺ってきたのですが」
「まあ、じゃあ貴方が山田さん?」
彼女はパアッと顔を輝かせるとツカツカとこちらに歩いてきた
「ええ、山田八(やまだはち)と申します」
「こっちは助手の古郡春(ふるごおりはる)です」
女の子こと春は紹介にあわせてぺこりと頭を下げる
「私は水瀬玲奈(みなせれな)、よろしくね」
というと彼女は右手を差し出してきた
「よろしくお願いします」
右手に応えて握手をすると彼女はニコりと笑った
すぐにくるりと振り返ると通ってきた道のほうを見た
「ごめんなさいね、草も刈らないで。」
「これだけ大きいとお一人では手入れも大変でしょう」
「そうね、私だけじゃとても無理だわ。でも私けっこう気に入ってるのよ」
「ここに机を広げてお話しても私は構わないわ?」
と冗談っぽく彼女は言うと私のほうを向いて、ころころと笑った
私は苦笑して遠慮する旨を伝えた
彼女はこなれた様子で玄関に歩いてくと靴をかつかつと叩き合わせて泥を落としている
「じゃあ中で話すしかないわね、散らかってるけど許してね」
玲奈はそう言うと玄関を開けて家に入って行った
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