序章

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「綺麗な人ですね」 突然春は口を開いた 「ああ」 春は私のほうを向いてジトっとした目で見ている 「なんだ?」 「ああいう人がタイプなんですか?」 春は低いトーンのまま聞いてきた 私は質問の真意が解らず戸惑う。しかしそれを悟られないように誤魔化すことにした 「いや、綺麗だとは思うが私のタイプではない。私のタイプは・・・」 「タイプは?」 「春ちゃんみたいな子だ」 「へえ・・・」 春は不審な笑みを浮かべた 「先生のタイプはお相撲さんだったんですね」 ニコっと春は笑うとドシドシと玄関に歩いていった まだ根にもっていたのかと呆れる反面 何も言い返せない。ぐうの音もでないとはこのことだ とも思った 私も重い足取りで玄関のドアを開けた
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