ライバルはパピヨン?

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ライバルはパピヨン?

私の彼は、私より7つも年下。 とっても優しくて、可愛くて、どんなわがままでも許せちゃう。 でも、一つだけ悩みがあるの。 彼の愛犬のパピヨンの首里。 オスなのに、彼にベッタリ! 私が彼と話してると、必ず彼の所にやってくる。 すごく可愛いんだけど、まるで私のライバルみたい。 彼とのドライブ、助手席には首里。私は後部座席。 彼に助手席に座りたいっていっても、ここは首里の席だからごめんねだって。 首里を思いっきり走らせてあげたいって彼がいうから、今日のデートはドッグラン。 一度でいいから二人きりのデートがしたいな。 私は、チケット売り場の建物にもたれながら、彼と首里が一緒に走ってるのを見てる。 つまんない。 「長い事待たせてごめん。首里が……。」 また、首里。彼に聞いちゃった。 「私と首里、どっちが好き?」 こんな事聞いちゃいけないのはわかってる。 でも…。 「バカだなぁ。首里は大事なペット、美奈は彼女だろ。」 「うん。」 「首里向こう向いてて。」 「えっ?」 彼は首里のリードを私達から死角になるところにくくりつけた。 「こんな事言うの一度だけだよ。」 彼は私の後ろの壁に手をつき、私の目をみつめながら、 「美奈が、俺の1番だよ。 ずっとそばにいてね。」 キュン。 嬉しい。 さっきまでの不安やさみしさがすっと消えていった。 ライバル視してた首里が可愛く思える。 「狼歩さん。ありがとう。」 ……………………………………… 狼歩さんの家。 首里を撫でながら。 「首里、さっきはごめんね。 人間はいろいろ大変なんだ。 本当は首里が1番だよ。」
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