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「ときに氷川君だったか。山口さんは元気にしているかな?なかなか会いに行けず、寂しくはないかと心配でね」
由貴様が話す言葉は、何でもないような言葉でも身が引き締まるんだよね。ついつい、大きな声で返事をして、敬礼とかしちゃいそうだ。
「はいっ!大丈夫ですよ、山口さんは毎日楽しそうですし。最近はオカルト研究部と遊んでいると聞きました」
「ほう、オカルト研究部か………?」
由貴様が目を細めて笑う姿をみながら、穂村が小さく呟いた。
「…………いや、あれ、遊んでるの意味違くね?」
「…………穂村、黙ってて」
「……………へいへい」
例え、オカルト研究部が恐怖で逃げ惑っていたとしても、山口さんは楽しそうだもんね?
和やかなまま昼食会は終わり、ボク達は池にいるへちま君にオッケーが出た事を伝えに行った。
『ほ、ほ、ほんとズラか!?あの方に会えるズラ!やったズラー!こうしちゃいられないズラ。手土産を探すズラ』
「あ、へちま君。ばっさり山口さんはきゅうりが大好きだから、へちま君が作ったきゅうりをお土産にしたら喜ぶんじゃないかな?」
それを聞いたへちま君は緑の顔をピンクに染めて、小躍りしながら畑に消えて行った。
「へちま君ーーー!出発は、明日の朝だからね~!」
良かった!へちま君も嬉しそうだね、穂村!あ、穂村またニヤニヤしてる。…………あんまり揶揄って、泣かせたら駄目だからね?
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