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「どうしたの? 何か困ったことでもあった?」
「ううん。別に」
はあ……口にするのも面倒よ。
「そう?」
「あ、それより、智哉君。リビングで座ってて。すぐにお茶を持っていくから」
「あ、気にしなくていいよ。どうせ通り道だし」
「いいから、いいから。昨日夜更かししてたから、3人ともまだ寝てるみたいだし」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな」
そう言ってくれた智哉君をリビングに案内して、お茶を淹れる。
はあ。こんなふうに静かな時間なんて、久しぶりだわ。
「かなたちゃんて、お茶を淹れるのがこんなに上手だったんだね。知らなかったよ」
やだ。智哉君に褒められちゃった。
「おばあちゃんに教わったの。おばあちゃんは、紅茶も日本茶、お抹茶も上手に入れてくれたのよ」
「そうなんだ? そんなおいしいお茶が毎日飲めたなんて、透さんは幸せな人だな」
おじいちゃんって言えば……。
「ねえ、智哉君。魔物を封印する方法、見つかった? 前、そんなこと言ってたよね」
「それが、やっぱり透さんはすごいね。わかったような気がしたんだけど、全然足りてなかったみたいだよ」
ふーん。智哉君でもわかんないことがあるんだ。
「難しいのね、魔物を封印するって」
「そうだね。もともと違う世界で生きているものに力を及ぼすわけだから、動物を相手にするように単純にはいかないね」
そっか……。あの子たちって、違う世界の生き物なんだよね。あんまり普通にいるから、忘れてたけど。それなのに、そんな3人をあっさり封印しちゃったおじいちゃんって……。
「おじいちゃんって、すごい人だったんだ」
「そうだね。本当にすごかったと思うよ。でも、僕なら……」
「智哉君なら?」
どうしたのかな? 智哉君、すごい真剣な顔してるけど……。
「あ、いいや。その話はまた今度ね」
「うん。いいけど……」
智哉君、変なの。
「それより、あいつらはどう?」
「あの3人? 常識知らずなのは相変わらずだけど、それなりにうまくやってるわよ」
前ほど家の中をメチャクチャにすることもなくなったしね。
「本当? 困ってることはない?」
ふふふ。智哉君って、本当に心配性なんだから。
「大丈夫よ。あの子たちも、現代の生活にちょっと慣れてきたみたいだし」
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