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トースターや給湯器や全自動洗濯機の使い方も覚えたし、電子レンジも使えるようになったし。
それでも、たまにびっくりするような失敗をやらかしてくれるけどね……。
「それはよかったけど、変なことされてない?」
「変なこと?」
「ほら、魔物は情熱的すぎるから」
「ああ、それも大丈夫よ。もう慣れちゃった」
ロイもユーゴも、子犬がじゃれついてきたとしか思えないものね。
フロリアのくさい台詞だって、もうさらっと流せちゃうわ。
「慣れたって、かなたちゃん……」
「本当に平気よ。いざとなったらペンダントもあるしね」
おばあちゃんがくれた不思議なペンダント。これさえあれば、あの3人なんて全然怖くないもの。
「だから、余計に心配なんだ。そうやってペンダントを過信していて、いざという時に外していたらどうするんだい?」
「大丈夫よ、本当に。だから、こうやっていつも見に付けてるわけだし」
「でも、ほら、時には、外すこともあるだろう?」
あら? 智哉君、急に言いにくそうになったりして、どうしたのかな?
「おやおや。これは、とんでもないナイトが一緒ときたもんだな」
「あら、フロリア。もう起きたの?」
暖かい紅茶を差し出すと、なぜかフロリアはそれを持って智哉君の隣に座った。
「おかえり、かなた」
「わざとらしい男だな」
「そういう君こそ、心配するふりで何を想像していたんだい?」
「僕は純粋に心配しているだけだよ。なんでも邪推するような奴が、彼女の返事を自分に都合のいいように解釈しないか、ね」
「僕も心配だよ。自分の欲望も肯定できないくせに、他人のことばかり疑っている狭量な男が、勝手な思い込みで暴走しないか、ね」
「ちょっと、2人とも」
こんな険悪なムードになったりしたら、他の子たちが起きてきちゃうじゃない。
「やっぱり君をこんな家に1人でおいておくわけにはいかないよ。おばさんに事情を話して、平日はうちにおいでよ」
「へえ。“実家に帰って”じゃなくて、君の家とは、本当にとんでもないナイトだな」
「私は、この家が傷まないように住んでいるんだから、智哉君の家にも行けないし、実家に帰るわけにもいかないわよ」
だから、この話はもうおしまい!
「そんなこと、週末だけ手を入れに来ればいい話じゃないか」
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