第1章

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 最後にそうやって念を押す智哉君。  本当に心配性なんだから。でも、私には、このペンダントがついてるんだもん。平気よね、おばあちゃん。  胸の中でおばあちゃんに話しかけながら、ペンダントをかざせば、秋の澄んだ日の光にきらりと光った――  「へえ……」  「智哉君、そんなにキョロキョロ辺りを見回してどうしたの?」  「ああ、もう何度も君の家には遊びに来てるのに、恋人として来てみると、また雰囲気が違うものだなと思って」  この前、私は智哉君から告白されて、それで私たちは付きあうことになったの。  「そう?」  そう言われても、ずっと暮らしてる私にはよくわからないよ。  「君も今度、僕の家に来てみればわかるよ」  「えっ、うん……」  智哉君の家に遊びに行くってことは、おばさまともお話しすることになるよね。  うーん。どんな顔してればいいのかな? 彼女ですって改めて言うのもおかしいわよね。  「ふふふ。もう僕の気持ちがわかったみたいだね」  「うん。なんとなくね」  付き合うって、智哉君との関係が変わるってことだけじゃないのね。なんだかくすぐったい感じ。  「さて、そろそろ来る頃だと思うから、君も魔物たちを呼んできてくれないかな?」  「えっ? 来るって誰が?」  「学校にいる間に、藤堂君と奏さんに声をかけておいたんだ」  「どうして?」  「ちょっとね」  変な智哉君……。  そう思ったけど、別に反対する理由もないから、私はキッチンでおやつをむさぼっている3人を呼びにいった。  「ねえ、フロリア、ロイ、ユーゴ。ちょっと来てくれる?」  「おやおや。君もいけない子だね。恋人の前で他の男と仲良くして、ジェラシーを煽る作戦かい?」  「違うよ。智哉君が呼んでるの」  「はあ? なんだよ? 俺たちに見せつけるつもりか? なあ、おまえ、そんなのろけた男、やめた方がいいぜ」  「ロイ……あなた、なんてこと言うのよ」  「面倒だな……」  「お客様のおやつ、出してあげるわよ」  そういった途端、返事もなしにロイの姿が消えた。  「お菓子があるなら、いいや」  ユーゴものんびりと言って、キッチンの上のチョコレートを全部持って、リビングに向かう。  「何をするつもりか、大体想像はつくけど、仕方ないね」  フロリアだけは、心底面倒くさそうだったけど、結局リビングへ歩いていく。
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