第2章

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看護婦さんが持ってきた、車椅子に何とか座らせるとき、不意に日常で、重い荷物を軽々持ち上げる彼を重ねる。 笑いながら左えくぼをのぞかせるその彼と同じ人なのかと… あまりにも苦痛に歪んだ表情の彼が…別人に見えたから。 今起きている重大さが、否応なしに理解できていた。
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