第2章

4/181
前へ
/210ページ
次へ
それからの、一週間足を引きずり始めた彼に外科に行くよう促した。 病院嫌いの彼は、体をマッサージしに行くと近くのマッサージ屋さんに行った。 「筋違えみたいだよ」 笑う彼は、足を引きずりながら、なんとかお気に入りの赤いソファーに腰かけた。 リモコン片手に大好きなダ○ンタ○ンの番組にチャンネルをあわせた。 その横顔になんだか胸騒ぎがしていたのを思い出す。 嫌な予感って、本能が伝えるものなんだと後から充分すぎるぐらい理解するのに、この時の私は、この嫌な予感を感じないふりしていた。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加