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俺は部活で、隣り街のサッカーグランドに移動中だった。
何故か一人だった。
あの時何かに気付くべきだったのだろうか？
みずほが言うことを訊いてくれなくて……
みんなより出遅れた俺。
だから追い付こうと必死だったんだ。
――ガラーン。ガラーン。
そんな最中に着信。
（お、みずほだ）
そう思った。
チャペルでの結婚式に憧れているみずほが入れた音色だった。
つまり俺と結婚したいってことらしい。
――バキューン！
とハートを撃ち抜かれ、俺は益々みずほに堕ちていた。
てゆうか……最初に惚れたのは俺の方だったんだ。
俺から好きだって告白したんだ。
幼なじみなのに、一目惚れしたあの時に……
恥ずかしいよ、俺だって。
でもどうしてもって、訊かないみずほ。
仕方なく……
ううん、本当は……
物凄く嬉しかった！
みずほの着信のみ……
『だってメールより嬉しいでしょ？ 掛かってきたら、何をさて置き真っ先に出てね』
スマホか携帯かで迷った挙げ句、一番安いの選んだ俺。
そんなこと気にもせず悪戯っぽく笑うみずほ。
本当は皆と同じのが欲しいのは解っていた。
でもガラケーの機能に着目して納得してくれた。
その場であの着信音が鳴った時、凄く凄くドキドキした。
だって……
世界で一番愛してる！
って言われてるようなものだから……
みずほに交際を迫る時。
ごり押しだって言われる位に、押して押して押しまっくた俺。
だから尚更嬉しかったんだ。
あの時はまだ、ガラケーが生産中止になるって知る前だったのだ。
何時もの着信？
にしてはおかしい。
胸ポケットが物凄く……
激しく波打つ。
何かの予感……
俺の直感が、非常事態だと教えていた。
俺は慌てて自転車から飛び降りた。
横倒しなんて気にもしないで胸に手を持っていく。
でもその前に足が縺れて地べたに倒れた。
俺は慌てて、就いた手を汚れを手で払った。
その時手が震えているのを感じ、指先を見つめた。
（ヤバい！ みずほに何かがあった！）
昔から霊感があった。
俺の体中の神経が非常事態だと告げていた。
だから余計に焦りまくる。
やっとの思いで、ポケットから携帯を出し手にした。
でもこんな時に限って携帯を落とす。
そして反対側から開けようとしたりする。
焦りまくる俺は、それだけでことの重大性に気付いていたのかも知れない。
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