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「やめてくれ……」
銀髪の少年が、目前に広がる光景に、呻いた。
燃える……。
家が――
『熱いよぉ………』
オレンジ色の夕陽のように辺りを照らす、炎の中から、幼い少女の声が響いた。
その声にまた、少年は苦しげに顔を歪めた。
「やめろぉ……っ!!」
そんな様子を、少女が楽しげに笑った。
「ふふ……ねえ、なんで助けてくれないの?
こんなに苦しかったのに……」
「や、め……」
「こんなに叫んでいるのに……
わかる?
そんな貴方には、誰かと楽しく過ごすなんて資格……無いんだよ。
――――おにいちゃん。」
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