第1章

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懐かしい気がして抱きつきながら唇で受け入れていると、雅巳の指が私の中に入った。 忘れていた怖さがそこにあって、雅巳から唇を離してしまう。 「痛い?」雅巳が優しく聞く。痛くはない。私は首を小さく振った。 「力抜いてみて」私の耳にキスをしながら雅巳が言う。 言われたとおりに力を抜いて、雅巳のキスの嵐を感じてみる。 雅巳の指は私の中にあるけど、同化しているようで何も感じない。 溶けてしまったのだろうか。雅巳が唇に戻ってきて聞いた。 「怖い?」せつなそうな雅巳の顔。少し怖かったけど、私は首を振った。 雅巳は私の唇の中に舌を絡ませながら、指を抜いた。少しすると違うものが入ってきた。 怖さも一緒に入ってきたようだった。私は雅巳にぎゅっとしがみついた。
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