福部美来

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「ごめん!また待たせちゃった!」 「もう慣れてるから大丈夫だよ。」 美央が申し訳なさそうに手を合わせ、外装が綺麗な家から出てくる。私はマンションに住んでいるため、こんな大きな家に憧れている。 「……美央、なんかあった?」 美央の顔がいつもより暗かったため、私は悩みがないか質問する。けど美央は作ったような笑顔で「ないよ」と誤魔化す。 美央の笑顔に時々嘘があるのは長年の付き合いのため何となく分かる。 友達なんだから、もっと頼ってもいいのに。やっぱり私が真面目な部類に見えるから、相談しづらいのだろうか? いや、美央の場合は心配をかけまいと相談しないタイプだ。そんなのは私がよく分かってる。 気にすることなどない。
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