第1章

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「……まず、前のおれの最期について。おれは沙那、華紅羅と合流して白が死んだ後……すぐに死んだ。」 「……え?」 神楽と沙那は目を伏せた。 忍は苦虫を噛み潰したような顔をしている。 乾いた唇を震わせて、俺は掠れた声を出す。 「な、……んで……」 薊姫は表情を変えずに淡々と喋る。 「当然……と言えば当然だろう。戦闘員である白は死に、忍は外に出ていた。沙那はある程度は殺れるが、お前達のように大人数を相手に戦える訳じゃ無かったし、華紅羅に至っては非戦闘員だ。まぁ、抗えない死だった、と言うより他ないな」 「そんな……」 俺はとてつもない虚脱感に襲われ、膝から崩れ落ちそうになる。 俺が、前の俺が必死に守ってきた者が、俺の死と共に崩れていた。 その事実だけで、頭の中が真っ白になっていた。 沙那が俺に教えてくれなかった意味を理解し、絶望した。 俺の 俺のせいで 薊姫は 「……っ」 その絶望感を一気に打ち払ったのは、薊姫の声だった。 「ま、そんな事はどうでもいいんだ。話はそれじゃ無い」 沙那と神楽はぱっと顔を上げ、忍は眉を潜め、俺は固まった。 薊姫は教室にいる全員の顔を見渡し、口を開いた。 「バンドやろうぜ」 「……は?」 教室の空気が一瞬で凍りついた瞬間であった。 呆けた声を出した俺は固まり、沙那はぽかんと口を開け、神楽は首を傾げている。 忍は頭を抱えている。 そんな俺達の様子に薊姫は目を細めた。 そして物語は冒頭に戻るのであった。
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