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『プロローグ』
とある夏の日の、教室での事。
緊張感の漂う空気の中、5人の男女が立たされていた。
その5人が集まったことは今日の今まで無かった。
名前も知らなかった程である。
だが、その面々は互いの命を預けた仲であったーーー
5人のうち4人は、彼らが作る輪の中心に立つ少女を見ている。
少女は4人の顔を確認するように、順番にゆっくりと見渡すと、口を開いた。
4人は身構えた。
かつて命をかけて守った、そして守ることの出来なかった少女の言葉を聞くためにーーー
「バンドやろうぜ」
「…は?」
あの日の蝉は、特に五月蠅かった。
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