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暫く友人と眺めていると、やっとガラリと何度か引っかかりながら引き戸が開かれる。
そして、そこには黒色のスーツを着用した女性が立っていた。
先程とは裏腹に、めっちゃキレてる。
数秒間の間に一体何があったんですか!
女性がしちゃいけない表情をしていますよ! やっぱり年齢的な焦りですか!
卒業まで待って下さい!
と、心の中で教師である幸子ちゃんにエールを贈る。
幸子さん、君に届け!
なんて、ふざけていると、空気を読まない事に定評のある友人が口を開いた。
「せんせーめっちゃキレてるやん、どないしたん?やっぱり年齢的な焦り?」
「黙れ、ぶっ潰すぞ安藤」
ナイス安藤! ナイス違う。
ほらー安藤、空気を読まないでそんな発言するから、幸子ちゃんの怒りのボルテージが急上昇したじゃん。
「そんなことより、テメェだよ」
瞳孔めっちゃ開いとる。
これでもかってくらい開いとる。
「おい、私はあまり力使うなと、そう約束したはずだ」
こちらを見据えながら、俺に近づいてくる彼女は怒りが限界突破したのか、半笑い。
「にもかかわらず、貴様は暴れたな? 賢介」
うるせぇ、なんか窓開いてて寒いんだよ。
それどころじゃねーんだよ。
つかなんで安藤平気なんだよ、俺、寒い平気なんだよ、オス! みたいな面じゃねーだろ。
私ー、甘いの好きなんですぅー、みたいなアホ丸出しの面だろ、ふざけんな。
「寒い」
安藤は一言呟いた後、ゆっくりと窓を閉め、白色のカーテンをシャーした。
そして、自分の席に戻り、俺を一瞥した後、スマホに視線を向け出す。
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