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「うわああああああああああああああああああ!!!!?」
「こおおおおおおおおおおおん!!?」
悲鳴を上げて、青年は飛び起きました。
上半身を起こし、荒い息を付きますと、何やら身体が痛みます。
自身の身体を見てみますと、彼は包帯がそこらかしこに巻かれていることに気が付きました。
辺りを見渡しますと、目に入ったのは床の間と、そこに飾られた立派な掛け軸。
床を見ると畳が敷かれ、自身の右手の方向を見ると障子が張られておりました。
古き良き、日本家屋でした。
次に青年は自身の首を左に回しました。
そこにはまず、部屋に似合わないテレビがございまして。
そしてさらに首を回しますと、無表情のまま正座し動かない、着物姿のおかっぱ少女と。
「ふう……いきなり叫ばれてびっくりしたこん」
喋る紫狐が居りました。
「うわああああああああああああ!!? しゃべったああああああああああ!!?」
「こおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!?」
お互い尻餅をつきながら驚く一人と一匹。
対しておかっぱ少女は特に表情を変えないまま、「お姉さまを呼んできます」と言って立ちあがり、背中側にあった襖から音もなく出ていかれました。
残された一人と一匹は、お互いをじろじろを眺め回しておりました。
「……ねえ、言葉喋れるの?」
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