一。

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「うわああああああああああああああああああ!!!!?」 「こおおおおおおおおおおおん!!?」  悲鳴を上げて、青年は飛び起きました。  上半身を起こし、荒い息を付きますと、何やら身体が痛みます。  自身の身体を見てみますと、彼は包帯がそこらかしこに巻かれていることに気が付きました。  辺りを見渡しますと、目に入ったのは床の間と、そこに飾られた立派な掛け軸。  床を見ると畳が敷かれ、自身の右手の方向を見ると障子が張られておりました。  古き良き、日本家屋でした。  次に青年は自身の首を左に回しました。  そこにはまず、部屋に似合わないテレビがございまして。  そしてさらに首を回しますと、無表情のまま正座し動かない、着物姿のおかっぱ少女と。 「ふう……いきなり叫ばれてびっくりしたこん」  喋る紫狐が居りました。 「うわああああああああああああ!!? しゃべったああああああああああ!!?」 「こおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!?」  お互い尻餅をつきながら驚く一人と一匹。  対しておかっぱ少女は特に表情を変えないまま、「お姉さまを呼んできます」と言って立ちあがり、背中側にあった襖から音もなく出ていかれました。  残された一人と一匹は、お互いをじろじろを眺め回しておりました。 「……ねえ、言葉喋れるの?」
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