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やがて青年が問いかけると、狐は大きく頷きました。
「なるほどね」
青年はゆっくりと天を仰ぎ見ました。
天井板と、それを支える竿淵があります。
真ん中には部屋を照らします、天使の輪の様な電球がございました。
それらを見ながら、青年もまた大きく頷きました。
「まだ夢か! 狐が喋るわけないもんな!」
「な! 失礼だこん!! コンはただの狐じゃないこん!! そこら辺の狐と一緒にしないで欲しいこん!!」
「こんこんこんこんうるさい!! そんな安いドッキリにひっかかるものか!! いくらそこら辺の狐と違うからって喋るわけがないだろ!! どっかに安物のマイク仕込んでるロボットだろ!!」
「誰が安物ロボットだこん!! コンはこう見えてかの九尾の狐の子供だこん!! 立派な妖怪だこん!!」
コンと言う狐はそう言いますと、頭を後ろに反りました。どうやら胸を張っているようです。
けれども、青年からしたらそんなこと信じられるわけがありません。
彼は小馬鹿にした表情を浮かべて言いました。
「あ~はいはい妖怪ね~。最近ブームだもんね~。あーはいはいこわいこわい」
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