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これに対し信長は重臣や配下の将を岐阜城に招集をかけた。そして信長は配下の将に人質を差し出すように指示を出した。龍信も例外ではなかった。しかし、一人の将が信長の指示に異を唱えた。戦国出世猿、羽柴秀吉だ。
(秀吉)御屋形様、人質の件は考え直してはいただけないでしょうか。
(勝家)だまらぬか猿。
(信長)猿、わしに指図する気か?
(秀吉)恐れながら、此度の松永久秀の裏切りにせよ、長政殿の裏切りにせよすべては将軍義昭公の仕業です。諸大名の信頼を得る事こそ必要と考えます。特にここにいる龍信殿の嫡男はまだ3歳と幼い、此度の合戦での龍信殿の功績を考えれば彼に対する信頼は得られたはずです。
(信長)なるほどの
信長は腰を上げ龍信のもとに歩み寄った。
(信長)龍信、心配しなくてもそなたのせがれはわしの妻お濃に育てさせる。仮にそちが裏切ってもそなたの息子をわしの子とするまで安心せい。
織田信長の人質!いや信長さまが天子の未来を切り開いてくれる。龍信はそう感じた。評定ののち龍信は秀吉のもとに歩み寄った。
(龍信)秀吉殿、先ほどのこと誠にかたじけない
(秀吉)なんのなんの。白銀殿は今や織田家において必要な御方じゃ。それにわしは最初から親方さまは自らの手で白銀殿のせがれを育てるつもりであった。
(龍信)信長さまがですか?
(秀吉)そうじゃ、あのままでは柴田殿あたりがでしゃばり自ら裏切りの監視のためだけに引き受けたであろう。
(龍信)秀吉さまは最初からそれを阻止するために
(秀吉)まあ、そんなところじゃ。白銀殿、どんなことがあってもあなたのせがれはこの木下藤吉郎秀吉がお守り致すゆえ安心なされ。
(龍信)よろしく頼みまする。
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