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「……悪かった。ホント、忘れて 」
立ち上がると、高い背を丸めて落ちたノートを拾う。
パラパラと開いたページに、びっしりと埋められた文字とピッチの図が見えてこんな所で居眠りしてしまうくらい疲れているくせに、サッカーノートを書いていたことを知る。
最近顔色だって、悪い。
どうしてそんなに無理をするの? そんなに必要以上に急がなくても、サトなら今のまま頑張っていけば、トップチームのレギュラーは勿論、中心選手になっていくのは確実だろうと思う。なのに……。
その時、あることに気付いて胸が鳴った。
もしかして、誰かの為?
思い至ってしまったら、そうとしか思えなくなる。
まさか、私の……?
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