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「ほら、早く行った方がいいわよ 」 「え?」 「引き止めちゃってごめんね。走ってたの、練習観に行こうとしてたからでしょ? 」 あっ……と、声が漏れそうな顔をすると、海月がグラウンドに続く道を見た。 気持ちだけがそっちへ向かって、けれど戸田のことも気になり、交互に何度も見直す。 その仕種が可愛らしくて、戸田はくすっと笑った。 サトの選んだ人はどんな絶世の美女かと思っていたけど、こんなに可愛い《美少女》だったなんてね。 「今からだったら、少しは観られると思う。きっとサトはAグラでやってると思うから、ちょっとでも観てあげて。それと…… 」 戸田は手に持っていた会報誌を、海月に手渡した。 表紙は、パスコースを探しているのかドリブルをしながら遠くを見つめる理紫と、ヘディングでシュートをしている西条。 「さっき届いたの。よく撮れてるでしょう? 」
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